MINEZAWA サクセスストーリー

技術も夢も、チームでつなぐ〜エンジニアリング部の挑戦〜

エンジニアリング部 次長

野口良人(2003年入社)

若き技術者の挑戦

野口の青春はいつもものづくりとあった。大学を卒業後、機械系メーカーに入社した彼は、加工や電気制御など1台の機械をつくりあげるノウハウを学んだ。次の転職先では、1社目の経験を活かし自身で設計まで手掛け、職人としての悦びとやりがいを感じていた。
一方で、もっと広い世界を見てみたい、そんな思いもあった。もっと多様な領域で、ものづくりに深くトータルに携われないか。

2003年、27歳の時に転機は訪れた。取引のあったMINEZAWAからの誘いだ。
MINEZAWAは数年前にエンジニアリング部を立ち上げたばかり。当時は設備専門の営業チームであり、技術・知識をもつ人材が求められる中で、野口に白羽の矢がたったのだ。

MINEZAWAに飛び込んだ野口を待っていた“壁”。それは、お客様と業者の間に立ち、受注から納品までをとりまとめる難しさだった。刻一刻と変化する状況に合わせて、取引先と現場を駆け回り、納期と品質管理、さらに価格調整に奔走。商社という仕事の責任の大きさを痛感する日々だった。
しかし前職で作り手だった経験も後押ししたのだろう。いつしか野口は、取引先はもちろん協力会社からも信頼される、技術力と営業力を兼ね備えた人材に成長していた。

出会いと別れ

リーマンショックからの景気回復も進んだ2012年。エンジニアリング部は変革の時にあった。設備営業チームから技術プロフェッショナルチームへ。生産設備の電気・製作や工作機械の仕様設計、プログラミングなど、より専門性を高めた部署となっていた。

会社から寄せられる期待も大きく、野口は若い人材・後継者の確保が欠かせないと考えた。採用活動である。
技術職というと理系・専門学校出身が当然のようにみられるが、MINEZAWAエンジニアリング部はちがう。インターンとOJTで初歩から学ぶこともできるため、新卒は文系出身の学生を採用するケースも珍しくない。要は本人次第、なのだ。

ある年、野口はひとりの文系出身の学生を採用した。明るく社交的な性格の彼は、取引先にも可愛がられ、会社説明会では野口と企業PRも行った。「理系・文系問わず、成長できるチャンスがMINEZAWAにはあります」学生に向けて力強く話す彼に、野口は期待していた。

しかし入社から4年目、彼から突然の退職を告げられた。その時野口が感じたのは、これまでに経験のない悲しみ・悔しさだった。もちろん、採用活動や新人教育が、いつも実を結ぶわけではないと分かっている。それでも、彼のためにもっとできることはなかったのか。自責の念にかられる日々。野口は今、ひとを育てるという新たな“壁”に直面していた。

知識より大切なもの

2016年。会社説明会で学生へ向けてPRをする野口たちへ、ひと際熱い視線を送る青年がいた。大学は経営学を専攻しているが、将来は手に職をつけたいとの思いから、技術者への扉を叩いたそうだ。強い意志を感じられる眼差しと、話すほどに伝わる実直な人柄に、野口は可能性を感じた。
「ほかの学生たちとは“何か”がちがう」幾度かの面談を経て、翌年春、彼はエンジニアリング部の一員となった。

野口は彼の上司となり、すぐにその“何か”が分かった。仕事に対する“意識の高さ”が全くちがうのだ。入社当初は、とにかく質問をしてきた。なにしろ文系出身、小学校の理科で学ぶような電気回路の初歩から勉強しているのだ。
「この機械は何をするものですか?」「どうやって使うものですか?」野口が忙しくしていても遠慮はない。“知りたい”という向上心が勝ってしまうのだ。
ただ人に聞くだけではない、部品の役割・工具の名称など、時間を惜しんで自主的に学んでいる。未知の業界・分野にも物怖じせず積極的にトライする。今どき珍しいと思えるほど、技術の世界にストイックに打ち込んでいた。

そんな後輩の姿に、野口は若く無我夢中だったころの自分を重ねた。「一人前の技術者に育つまでサポートすることが、俺の責任だ」彼の質問一つ一つに丁寧なアドバイスで答え、手本を実演してみせた。もう後悔はしたくなかった。

可能性の“その先”

新入社員の入社から3年が経つころ、彼の良い評判を聞く機会が増えた。得意先への訪問に同行してみると、先方の言葉一つ一つに、真摯に耳を傾ける彼の姿があった。どうやら技術者ならではの専門的な知見を活かし“一緒に課題を解決”していくスタンスが、強い信頼関係を支えているようだ。
業務でトラブルが発生しそうな時も、事前に策を講じておくことで安全に計画を進行させるスマートさも備わってきた。そういえば入社以来の質問攻めも、最近は少し落ち着いている。自分で考え、調べ、実践する力が身についてきたのだろうか。

その後も採用活動は継続し、何名かの新卒社員が入社した。野口が彼にこれからの目標を訊ねたとき、こんな返事が返ってきた。
「一人前の技術者を目指してスキルアップを続けながら、後輩たちに少しずつその経験を引き継いでゆきたい。」
野口はこの時、彼の成長はまぎれもなく本当だと悟った。そして、ひとを育てるとは、自分が成長することなのかもしれない。ふとそんなことを思った。

誇れるチームへ

野口はいま、エンジニアリング部に大きな夢を描いている。たとえば、新しい分野への事業展開。仕事の領域が多岐に渡るMINEZAWAの魅力を、さらにダイナミックに拡大していけないか。たとえば、プライベートブランドの開発。エンジニアリング部の技術力と、営業の情報戦略で、時代が求めるニーズをカタチにできないか。海外での活躍のフィールドも広げていきたい。そのために展示会やショールームなどを立ち上げて、部の活動を広く発信していく。野口の役割は、エンジニアリング部としての実績と信頼を重ね、ファンやリピーターをつくり、若いメンバーがのびのびと活躍できる環境を整えることだ。

これからも色々な問題にぶつかるだろうが、どんな壁も乗り越えられると、野口は確信している。MINEZAWAエンジニアリング部には、心強い仲間がいるのだから。

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